京都造形芸術大学 通信教育部 建築デザインコース

父が大工でしたが、国際協力に関わるまでは建築にあまり興味がありませんでした。自分が長男ということもあり、父としては継いでもらいたいのだろうと思っていましたが、特に両親から強制されることもなく育ってきました。でも色んな国で生活してみて、住まいってとっても重要なんだなという風に思うようになり、それから建築について学びたいと思うようになりました。

 

その後、建築デザインのソフトを開発している会社で勤めることが出来ました。仕事に役に立つこと、建築士の受験資格が得られることもあり、京都造形芸術大学の通信教育部建築デザインコースに入学することにしました。既に経営学部で学士は取っているので、2年で卒業できる予定だったのですが、4年かかりました笑 これがきつかった。よく卒業できたなと今でも思います。

 

1年目は難易度もそんなに高くなく、今までの人生で触れてこなかった建築や芸術のことを学べてすごく楽しかったし、充実していました。それが2年目に入り、急に難しくなり、採点も辛くなりました。仕事も3年目に入り、月に200時間ぐらい残業していたこともありました。忙しくて単位を落とし、留年になり、授業料が無駄になり、やる気をなくし、仕事にも影響が出るという負のスパイラルに陥っていました。スクーリングや模型製作に掛かるお金もばかになんない。

 

スクーリングに行っても、徹夜で作ってきた作品があっさり否定されるし、今日も徹夜になるね~と教授に言われることもしばしばで、なんでお金払ってこんなきついブラック学校にいるんだろうと何度も思いました。でも、これを諦めてしまったら、死ぬ時まで一生後悔するんだろうなという思い、結局最後は根性で乗り切りました笑

 

建築デザインのソフトを作っていた時、いかに効率的にコストの掛からない家を作れるようにするかという考え方に触れることが多かったように思いますが、ここでは効率的なものを排除し、いかに泥臭く、深く豊かに考えるかを学んだような気がします。単に見てくれが良かったり、費用が掛からないようにするかだけではなく、なぜその土地、空間、時間にその建物が必要で、どのような人たちのために設計するかを徹底的に考えさせられました。芸術家はあまり自分の作品を文字や言葉で描写をしないと思いますが、建築家はそれをする力が必要だと痛感させられました。考え方の浅い建築家をこれ以上出したくないという教授の思いをひしひしと感じ、自分には向いていないと決断することが出来ました笑 

ここで学んだ考え方や建築はいったんエポケーして生きていきたいと思います。

 

これから通信教育部で建築を学ぶ方は、辛いこともあると思いますが、色々と世界が広がると思うので、ぜひ根性で乗り切っていって頂ければと思います。

 

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